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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第27章 Restart




とりあえず手紙の事は置いといて、話を変えよう…

あ…そうだ。
大事な事を確認しておきたかったんだった。


「あの、そういば花壇のところ、見に行ってみませんか?」

「だな。ちょうど今俺も考えていた。枯れ葉の下ほじくってみるか。」

エマの提案に頷くリヴァイ。
二人は執務室を出て、例の花壇へと向かった。








――――――――――――――


「下がってていい、俺がやる。また足滑らせてもらっても困るしな。」

「う…すみません、ありがとうございます。」


リヴァイの言うことに従い一歩下がる。

次々と退けられていくジトっと濡れた枯れ葉を見て、エマはあることに気が付いた。



「リヴァイさん、私達がワープした日は夜中に雨なんて降っていませんでしたよね…?」


あの日は夜中も確か雨など降っていなかったが今回は降っていて、少しだけ状況が変化しているのだ。


「確かそうだったな。」

「天気が変わるって…単純に時を遡っただけではそんなことありえないですよね、普通…」

「そうだな…“普通”はな。」

きびきびと動いていた手が止まり三百眼がチラリ振り返ると、エマは“あ…”と声を上げた。


「そっか…もう既に色々と“普通”じゃないですもんね…ハハ。」


私がここへトリップしてきた時点で、それまでの常識は通用しないと考えるべきだったのを思い出す。

そう思うと、この先も何か予測不可能なことが起きてしまうのではないかと少しだけ怖くなる。



ガサ…とエマが持っていた袋に枯れ葉を詰めたリヴァイと目が合った。


「例え天地がひっくり返ろうとお前の手は離さない。ずっとそばに居るから安心しろ。」

軍手を取り、ポンポンと優しく頭を撫でられる。

「リヴァイさん…」


強い意志を宿した瞳。

気休めなんかじゃなく本当にそう思って言ってくれたのが伝わって、不安はすぐに消し飛んだ。



「…見えたぞ」

「あ…!」

リヴァイさんの背後に目をやると、枯れ葉の下からぽっかり穴が開いた地面が姿を現していた。


「井戸というより落とし穴だな。」

「そう、ですね…」


“井戸”…と呼べるのかどうかも怪しいそれは、地表に囲いのようなものも一切なく、本当に落とし穴のように地下深くまで穴が開いているだけだった。

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