第26章 兵長ご満足プラン ※
「兵長!」
部屋の広縁の椅子に座って外を眺めていると声がして、振り返れば浴衣に身を包んだエマが立っていた。
リヴァイは息を呑んだ。
これは…
「やっぱり浴衣に着替えると気分上がりますね!兵長の浴衣姿も想像以上に素敵です!」
「…まぁこういうのもたまには悪くねぇな。」
「フフフ、ですよね!」
ニコニコと嬉しそうなエマ。
18の少女には似つかわしくない色香を放つ姿から目が離せない。
お前の浴衣姿の方が想像以上だぞ…
「あの…へ、変ですか?」
視線に気がついたのか不安そうに聞いてくるエマ。
正直格好など大して関係ないと思っていたが、エマの浴衣姿を見てその考えはものの見事に覆ってしまった。
「いいや、悪くない。」
リヴァイの言葉にエマははにかんだ笑顔を見せた。
悪くないどころじゃねぇ、破壊力抜群じゃねぇか…
誰だ浴衣を生み出した奴は。そいつに称賛を贈りたい。
「街の明かりが綺麗ですね。」
大きな窓から外を眺めるエマの後ろ姿を見上げる。
下ろした髪を左側にまとめて寄せていて、その隙間から覗く白い項に自然と目がいく。
襟口からスラリと伸びる肌は美しく妖艶だ。
「確かに綺麗だな…」
「ですよね…ひゃっ!」
導かれるようにしてその白い肌に指先を這わすと、エマは跳ねるように振り返り慌てて首を手で覆った。また耳まで真っ赤だ。
「何するんですか急に!」
狼狽るエマの手首を掴み、もう一方の手で髪を寄せて露出させた首筋をペロリと舐め上げた。
「やっ!どうしちゃったんです…かっ、さっきから…」
「さぁな…」
本当にエマの言うとおりだ。
今日は何故だか一段とエマに触れたいと思ってしまう。
触れて、少しでも多くその艶やかな表情を見たい、甘美な声を聞きたい。
“旅行”という非日常さに浮ついているのか…さっきからそんな思いばかりが己を支配して止まない。
「んっ…やめ…て……」
耳を指先で弄びながら舌先を往来させていると甘い声が鼓膜を揺らし始める。
「とか何とか言ってお前も愉しんでるんだろ?いい加減素直になれよ…」