第25章 神隠し
「…こっちの気も知らねぇで好き勝手言いやがって。」
「はぁっ…ちょっ、まっ!んぁっ」
また激しいキスをしながら服の下に手が滑り込んだかと思えば、手のひらが胸を揉みしだき始める。
言われた言葉の意味を理解しようとするが、すぐさま頭がぼんやりとしてきてしまった。
意識がリヴァイに支配されていく中、しかしエマは何とか自分を保って強く制止した。
「まっ!待ってくださいっ!」
「…なんだよ。」
突き刺すような視線で見下ろされて一瞬萎縮するが、ここで折れてしまってはダメだと思い、その目を見据えた。
「あっ、あの!まだ朝だし今日はこれから色々したいこともあるし、とりあえず落ち着きませんか?!」
「馬鹿言え、こっちはいつから我慢してると思ってやがる。もう一週間もお前を抱いてねぇんだぞ。
いいかエマ、あんな事言われたらもうこれ以上は待てねぇ。是が非でも今からお前を抱く。」
「そ…そんなぁ…」
「分かったら観念するんだな。大体、こっちは必死に我慢してたっていうのに、お前が呑気に誘うような台詞を吐くからいけねぇんだ。」
リヴァイの身体が再び覆い被さった。
「あ…ダメですってば……」
優先順位が違う気が…
まだ、やらなければいけないことがたくさんあるのに…
なのに…
大好きな人の温度が、息づかいが、指先の動きが、あっという間に正常な思考を奪っていく。
「ん……ぁっ、ダメです、へいちょう…」
「おいおい、さっきまでの威勢はどうした?もう抵抗はお終いか?」
「やっ…もう…んぁ…」
着替えたばかりのジャージは早々にベッドの下へと脱ぎ捨てられ、自分の服もまた、同じようにベッドの下に落ちた。