第24章 異世界トリップ
「まっ、待ってください!ここどこですか?!」
「耳元で大きな声出すなよ…鼓膜が破けちまうだろうが。」
「あ、すみません…」
私は兵長に乗っかったままで、ゆっくりと周りを見渡した。
白い天井に白いクロスが貼られた壁、角にはシングルベッドが一つ、反対側には机と椅子。
その上にはパソコン…
パソコン?!!
「私の…部屋だ………」
目を見開いたまま硬直した。
うそだ…
戻ってきちゃったの…?
だってただ枯れ葉に足を滑らせて転んだだけのはずじゃ…
待って。
「どうして兵長も一緒なんですか?!!」
跨がったまま完全に取り乱してしまった私を見上げる、見慣れた顔。
白くて、整った、綺麗な顔が、私の部屋にある。
「俺にもよく分からねぇが…ここは本当にお前の部屋で間違いないのか?」
“元いた世界の”
と付け加えた兵長の言葉で一気に現実味が増した。
私は必死に自分を落ち着かせながら、もう一度注意深く見回した。
「………そう、です。」
「ほう……」
「ど、どうしよう…どうして急にこんなことに…しかも兵長まで一緒に…どうして…」
状況がまったくと言ったていいいほど理解できない。
脳みそをフル回転させても、どうして突然、しかも二人で元の世界に戻ってきてしまったのか全然分からず、私はただ嘆いていた。
するとそれを黙って見ていた兵長の手が私の腰を寄せて、上半身を起き上がらせ、私たちは部屋の中で密着したまま座る形となった。