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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第23章 予想外の出来事




ザッザッザッザッ…


その日の日暮れ時、今日の仕事を終えたエマはまた例の花壇に来ていた。

今朝ミケに手伝ってもらったおかげでカスミソウの種は無事植え終えたが、まだまだ周りは枯葉だらけ。
これから本格的に春を迎える前にどうしてもすっきりとさせたかったのだ。


「それにしても本当に多いなー、掃いても掃いても終わらないや。」

何年放っておかれたのだろうか、これはどう見たって一年分の枯葉の量ではない。
途中で心が折れそうになったが、やり始めたのなら徹底的に綺麗にしたいと意地にも似た気持ちで無心になってホウキで掃いていた、その時。




「エマ。」


背後から聞こえた声に、ビクリとして振り返る。


「はっ!兵長!」

「こんなところで何してやがる。」

「かっ枯れ葉の掃除を!すみません!まだ何かお仕事残っていればすぐに行きます!」

エマはピシッと背筋を伸ばして慌てて答えた。


リヴァイの声がいつもより低くて冷たくて、怒っているような気がしたからだ。
やはり顔を見れば眉間の皺は深く刻み込まれているし、見るからに機嫌が悪そうだった。


もうすぐ壁外調査を控えているのに呑気に掃除なんかしてる場合じゃなかった、いくら今日の分が終わったとは言えきっと他にもやる事があったはず…今朝兵長が訓練に出て行く前に、予めもっと聞いておくべきだった…


などと次々と後悔が押し寄せて、申し訳ない気持ちになってしまっていると、リヴァイがジリッと近寄ってくる。

反射的に目を瞑って身を強ばらせた。



…思い出すと今朝もあまり機嫌が良くなかったように思う。

それなのにまたこうしてリヴァイの機嫌を悪くする原因を自ら作ってしまって本当に何をしてるんだと思った。

エマはそんな申し訳ない気持ちで目を瞑ったままリヴァイのアクションを待ったが、掛けられた言葉は予想に反したものだった。


「はぁ…そんなことはどうだっていい。今日の分を終わらせてくれただけで十分だ。
それよりだな…日も落ちかけて薄暗い中あまり一人でうろつくな。何かあっても俺もすぐには気付けないかもしれん。」




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