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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第21章 初体験




「ガハッ!ゴホッゴホッ!」

「美味そうに飲むじゃねぇか、おかわりいるか?」


飲み込みきれなかった液体が口の両端から垂れ落ち衣服を汚す。

今度はポットごと持ち出して、注ぎ口を口に突っ込み躊躇することなく注いでやった。



「さっきから行儀が悪ぃぞ。貴族様なら茶のひとつぐらい零さず飲めなきゃだめだろ?」

「ゲホッゴホッ……お前…こんなことして、どうなるか分かってるのか?!」

「あ?知らねぇな。」

「ククッ、馬鹿だな…僕がお前の無礼な行いを世間に知らしめれば、じきに兵団には居られなくなる。お前は終わりだよ。」


得意気に話す伯爵に対し、リヴァイはそれがどうした?と言わんばかりの表情だ。


「そうか、それは残念だな…だがお前のこの狂気じみた悪趣味だって、世間一般的には立派な“犯罪”に部類されることは知ってるよな?」

「フフ…“一般的には”そうだろうね。でもお前と僕で互いの罪を主張したとして、周りはどっちの言うことを信用すると思う?この世界で絶対的な地位を誇るグラーフ家当主と、元ゴロツキの兵士とじゃあ答えは決まってる。」


「そうだな、確かにお前の方が有利かもしれん。

だがそれは、ここに俺しかいないことを想定した場合の話だよな?」



「……どういうことだ。」


余裕綽々だった顔が曇り始める。

リヴァイが部屋の入口を顎で指すと、その顔は一気に青ざめた。





「カール・グラーフ伯爵。一度詳しく話をお聞かせ願えますか?」



そこにはナイルとエルヴィンの姿。



「そっそんな馬鹿な!待て!こいつだって僕に暴力を奮ったのはお前達も見てたはずじゃ?!何で僕だけ…」

「俺がしたのはただの暴力じゃない。お前を捕まえるための“やむを得ない”手段だ。そのハーブティーに薬を混入させたこともお前の執事から裏を取ってある。」

「そんな……っ!!」


絶望的な表情を浮かべた伯爵の体から、突然するすると力が抜けていく。


「はぁ…まったくたいそうな薬を盛ってくれたもんだな。」

「ク…ソ……」


先程のエマのように力なく床に体を横たえて震える様はなんとも哀れな光景だった。


「どうだ?発散したくてたまらないのに体が動かせねぇ気分は。お前はそうやってエマを傷つけた。同じ苦しみをじっくり味わえ。」



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