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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第21章 初体験




真顔のツッコミにピクシスはちょうど口に入れたワインを吹き出しそうになったが、何とか上手く飲み込んだようだ。

ドレスを選んだのがピクシスだったのは何となく気に食わなかったが、この爺さんのセンスは素直に褒めてやるかと思うリヴァイなのであった。


その直後、また背後から男の声が。




「エルヴィン、リヴァイ、それに君はあの時の……エマか?」

「ナイル、今日のエマは見とれてしまうほどに美しいだろう?」

「驚いたな…一瞬誰か分からなかった。前から美人だと思っていたが、さらに磨きがかかったな。」


エルヴィンが得意気に紹介すると、細い目を見開き驚いた顔をしたのは憲兵団師団長のナイル・ドーク。

エマが彼と会うのは1ヶ月半ほど前の予算審議会以来だったが、特徴的な顎髭のおかげですぐに分かった。


「ナイル師団長、お久しぶりです。」

「久しぶりだな、元気そうで何よりだ。それにしても何故エマがこんなところに?」

「まぁ色々あってな、また話すよ。」



いつの間にかエマ達の周りにはピクシス、ナイルを筆頭にそれぞれの兵団の参加者が集まっていた。


他の者も今夜は噂の兵士長の秘書をひと目見れる機会だと知って集まってきたのだ。

そしてその噂通りの、いや噂以上の美しい様に一同は口々にエマのことを褒めた。


上層部の人間に囲まれてちょっと緊張気味だったエマも、もてはやされることに嫌な気はしなくて、気がつくとだいぶ気分は高まってしまっていた。



しかしワイワイと盛り上がる輪の隅で明らかに面白くなさそうに睨みをきかせる人間が一人。




「チッ、あいつ調子にノリやがって。」



そう、エマが秘書を務める兵士長であり、またエマの恋人でもあるリヴァイだ。


口々に可愛いだの綺麗だのともてはやされ、満更でもなさそうに呑気に笑顔を振りまく恋人の姿に、リヴァイはかなりのスピードで苛立ちを募らせていた。

イライラする気持ちが溢れ、舌打ちは出るし靴の先もコツコツと鳴らしてしまう始末だ。


そんな時一人の憲兵がエマの髪型を褒めながらおもむろに髪に触ったのが見えた。


その瞬間リヴァイはついに我慢の糸が切れ、衝動的にエマの腕を掴もうとした、が、その時一



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