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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第21章 初体験




「純粋な気持ちを言っただけでセクハラ呼ばわりは酷いな。」

「お前から“純粋”なんて言葉が出ること自体胡散臭ぇんだよ。普段から腹ん中じゃ何考えてるか分からねぇってのに。」

「ハハ、酷い言われようだな。軽率な発言をして悪かったよ。」


まったく悪いと思ってなさそなうなエルヴィンを横目で見る。

薄笑い浮かべる顔はまるで自分の心を見透かしているようでイラッとしたが、そんな時先を歩いていたエマが振り返った。



「兵長、団長!早く中へ入りましょう?」


エマの無邪気な笑顔を見て自然と頬が緩まってしまうリヴァイ。

やはりこの屈託のないキラキラとした笑顔は、あっという間に自分を穏やかな気持ちにしてしまう不思議な力があるのだ。


「あぁ、今行く。」

三人は屋敷の中へと歩みを進めていった。










屋敷に入り広間まで案内されると、そこには数々の名門貴族や著名人の姿があり、それに憲兵団や駐屯兵団の幹部も集まっていた。



「エマ、想像以上に素敵だ…とてもよく似合ってるよ。」

「ありがとうございます。」


コートを脱いだエマの姿を目にしたエルヴィンは、思わず感嘆の声を漏らした。

素直に褒めると照れたように笑うエマがまた可愛くて、ますますエルヴィンの胸はきゅんと締め付けられてしまう。

するとそこに聞き覚えのある声が聞こえた。




「おぉ、よく映えておるな。やはりわしの見立てに狂いはなかったか。」

エマ達の背後から現れたのはピクシスだ。

しかし登場のセリフにリヴァイの耳が“今、なんて?”と言うようにピクリと動く。


「ピクシス司令!こんな素敵なドレスを贈っていただいてありがとうございました。すごく気に入ってます!」

「……爺さんがこのドレスを選んだのか?」

エマの言葉に目を丸くするリヴァイに、ピクシスは得意げに答えた。


「いかにも。年寄りだからとセンスを馬鹿にされては困るぞ。
エマ、お気に召したようで良かったわい。」


ドレスが駐屯兵団から贈られてきたことは知っていたが、まさかピクシスが選んでいたなんて。


「孫にプレゼントを気に入られて舞い上がってる爺さんみたいだな。」

「……ゴホッ…お前の冗談は相変わらず堪えるのぉ。」



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