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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第21章 初体験




「しかしこんな美女を傍に置くとは、お前も隅に置けんのうリヴァイ。」

ニヤリと笑うピクシスに、リヴァイはしかめっ面を返す。


「おい爺さん、そんなことを言いに来た訳じゃねぇんだろ。用件はなんだ?」

「ほっほっほ、お主も相変わらずよのう。それこそエマ、こやつの元で働くのは苦労せんか?」

「いえ…!兵長はいつも気遣って下さるので何も苦労など…」


ピクシスの問いかけに否定しながらチラリとリヴァイを盗み見ると、目上の人の前でもお構い無しに両手を背もたれに広げて足を組み、面倒くさそうな顔でどこかを見ていた。



兵長、いつにも増して機嫌悪そう。

ピクシス司令とはあまり仲が良くないのかな…



「そうかそうか。いくらのこやつでも可愛い子には厳しくはできぬか。それなら安心した。

……ことにエマ。」


「あ、はい!」



リヴァイの方をぼうっと見ていたところを急に呼ばれ、ピクシスに向き直る。

一体何を言われるのか未だ検討はつかないままだったが、予想外のピクシスの話にエマは驚きを隠せなくなるのだった。






「簡潔に言おう。わしがおまいさんを呼んだのは、今度王都で開かれる夜会へ出席してもらいたいと思っていてな、そのお誘いなんじゃ。」




「夜会……?私がですか?!」






思ってもみない話に思わず大声で聞き返してしまったが、ピクシスは柔らかな笑みを崩さず大きく頷いて続ける。



「来週開かれる夜会にエルヴィンとリヴァイとともにぜひとも出てもらいたい。」


ピクシスの後ろで黙ってこちらを見ているエルヴィンを見て、これは本気なのだと思った。



でも何なぜ調査兵団の幹部でもない自分が呼ばれるのかさっぱり分からない。

出席どうのこうのの前に一体どういう訳でこんな話になったのかを聞こうとした時、リヴァイが先に口を開いた。



「おいエルヴィン、どういうことだ。」



あからさまに低く不機嫌そうな声色。

不愉快さを最大級に表していることは誰の目から見ても明白だ。


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