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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第20章 小さな違和感




「とにかく、今の話でリヴァイがどれだけエマを溺愛してるかはよぉく伝わった!想いあってた二人が無事結ばれて私も嬉しいよ。」

二カッと笑うハンジ。

色々と根掘り葉掘り聞かれたことは恥ずかしかったが、ちゃんと報告ができて良かったとエマもほっとしたのだった。


「ありがとうございます、ハンジさん。色々お世話になりました!」

「何言ってんのー!これからも困ったことがあったらいつでも言ってよね?もちろん夜の方だって!マンネリしたら私が色んな愉しみ方を教えてあげるから!」

「ありがとうございます!でも、夜の方は遠慮させていただきますね!」


ハンジの言う“色んな愉しみ方”は、常人には真似できないような変態的なことを教えられそうでちょっと怖い。

そう思って丁重にお断りさせていただくと、ハンジはつまらなさそうに口を尖らせていた。



「まぁこの話はこの辺にしておいて…
エマ、例の話も詳しく聞かせてくれるかな?」


しばらく笑ったあと、ハンジは表情を一変させると、今度はエマを気遣うように問う。
例の話と言うのは、壁外調査の日にあの井戸へ飛び込もうとした話だ。


「はい……あの、シーナから帰ってきた時、本当のことを言わなくてごめんなさい。」

「それはいいんだ。なかなか言い難いことだっただろうし気にしないで。
でも、私も物思いにふけりたかっただけで一人であそこまで行くなんておかしいとは思ってたけどね。」


先程リヴァイとの馴れ初めを話す時に話の流れで、いろんなタイミングが重なりあの日一人で飛び込もうとしたことと、その古井戸が恐らく元の世界に繋がっていることも打ち明けたのだ。

ハンジは驚いていたがまったく予想外な話でもなかったようで、すぐにその話を受け入れてくれた。


「でも、本当にその井戸がエマの世界と繋がってるって確証はまだないんだよね?」

「はい。試せていないので……でも、ひとつ気になることがあって。」


そう言うとエマはポケットからある物を取り出して机の上に置いた。



「これは…?」


ハンジはメガネをカチャリと掛け直し覗き込むようにしてその物体を見つめる。



机に置かれたのは画面から煌々と光を放つスマートフォンだった。


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