第3章 いきなりピンチ
「ねーリヴァイ?エマを見なかった?」
「なんだ、お前と一緒じゃないのか、ハンジ。」
夕食を食べに来たハンジは、先に食べているリヴァイに尋ねる。
ハンジの後ろには彼女の副官のモブリットもいる。
「いや?私は今朝一緒になったきりだよ。」
「あいつもお前みたいに変わった奴みたいだからな、まだ篭って本でも読みふけてるんじゃねぇのか?」
先に食べてしまっているとは考えにくい。
なぜならリヴァイは、今晩は食堂に一番に来たからだ。
「確かにそれは有り得るかもしれないね。今夜また私から、改めて巨人に関しての話をしてあげようと思ってたんだ!後で様子を見に行ってみよっかな!」
「飽きねぇ奴だな…」
リヴァイは鼻息を荒くしたハンジを横目で見やると、食事の終わった食器を持って席を後にした。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
松明の灯りが揺れる薄暗い廊下を歩いて行くと、リヴァイは扉の前にたどり着いた。
ガチャ
鍵はかかってない。
「おい。そろそろ夕食に来ないとお前の分がなくなっ一」
中にいると思った人物はいなかった。
目の前のテーブルに目をやると、何冊か積まれた本と、何かを書いていたのかノートとペンがその隣に置いてある。
ションベンでも行ってんのか?
いや、違うな。
この部屋はかなり前から人の気配がない。
どこ行きやがった…?
その時、リヴァイは直感的に嫌な胸騒ぎを覚えた。
「チッ!」
眉間の皺を一層深くすると、リヴァイは書庫から飛び出した。