第18章 少女が見たもの
リヴァイ班のメンバーとは何度か仕事中に話したことはあった。
だけどあまり長い時間を過ごしたことがなかったし、これまでなんとなく距離感を掴めずにいたのだが…
こうしてちゃんと話してみれば皆とても気さくで楽しい人達だ。
まぁたまに会う時は大抵上官のリヴァイも一緒だったし訓練中だったから、今日のように比較的リラックスした雰囲気の中で喋ったことも初めてだったのだが。
何はともあれ、今日で少し距離を縮められたような気がする。
エマにとってはそれが何より嬉しかった。
「ぜひ、今度お願いします!私も皆さんともっとお話したいです!」
熱いものが込み上げる胸を押さえながら、嬉しさを堪えきれない様子で返事した。
「よし!決まりだな。日取りはまたおいおい決めよう。」
「エマ、楽しみにしてるね!」
「はいっ!私も楽しみにしてます!」
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
リヴァイ班の皆と酒を飲む約束を交わし意気揚々と厩舎を後にしたエマは、一人である場所へ向かっていた。
日没まであと少し、もう数十分もすれば夜を迎えるだろう。
「枯葉、そのままにしてきちゃった…片付けに行かないと。」
厩舎の掃除の前にやろうとしていた花壇の手入れ。
ゴミ袋や道具をその場に置いたままにしていたのだ。
当初の予定ではこんなに遅くなるとは思っていなかったから、日が暮れる前に片付けだけでもしようとエマは早足で向かった。
………つもりだったのだが、目先に見覚えのないものが飛び込んでくる。
数メートル先にそびえ立つ、柵付きのやたら大きな門。
「あ、あれ…?こんなところさっき通ったかな?」
昼間にペトラさん達と厩舎へ行った時はこんな門を見た覚えはない……けど、あの時は談笑してたしよく見てなかっただけかな…
一瞬道を間違えたのかと焦ったが、何となく都合よく解釈して門の横を通り過ぎようとした、その時一
「アァァァァ……」
「?!」
突如、エマの耳に聞いたことがないような呻き声が飛び込んだ。