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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第18章 少女が見たもの




「もう始めてるのか。」

昼食を終えたリヴァイが執務室へ戻ってきた。


「はい!時間が経たないうちに取り掛かった方がいいと思って……あっ!何か急ぎでやる事があればそちらをお手伝いします!」

話をしながらリヴァイを見れば、手には結構な分厚さの紙の束を抱えていた。エマはすかさずリヴァイへ声がけをする。


「いや…そもそも本来はお前も今日は休暇日だ。会議も終わったことだし、議事録なんざ明日にしてあとは休んだっていいんだぞ。」



壁外調査の翌日は原則兵士たちは休みだ。

とは言ってもリヴァイやエルヴィンなどの主要幹部にはその休みもあってないようなものなのだが…

エマのことだから、自分が促さなければきっとこのまま仕事を続けるだろうと思ったリヴァイは彼女に休むよう進めたのだ。


「…ありがとうございます。でも昨日は私のことで時間を割かせてしまったし、何かお手伝いできることがあればしたいんです。」


エマにはまだ昨日の後ろめたさがあったようだ。

あれほど気にしなくていいと言ったのだが、本人からしたらやはりこのまま自分だけが休むのは気が引けるのだろう。
とりあえず今日のところはエマの気持ちを尊重しようとリヴァイは了承した。


「分かった。なら悪いが少し手を貸してくれるか?さっそくエルヴィンから土産を渡されちまってな。」

「はい!喜んで!」


エマはリヴァイの言葉に張り切りって、机の上に広げていた議事録のメモを一旦片すとリヴァイの方へ向かった。


「これとこれを今日中に作成してエルヴィンによこさなきゃならねぇ。俺はこっちを片付けるからお前はこれをやってくれねぇか?」

リヴァイから一通り説明を受けエマはハキハキと返事をすると、すぐに自分の机に戻り書類を広げさっそくペンを走らせ始めた。






真剣な顔で取りかかるエマを、その傍らで座ってじっと見つめるリヴァイがぼそりと呟く。


「…お前はこの仕事が好きか?」 


「…………へ?!」


問いかけにだいぶ遅れて間抜けな声が返ってきた。
エマはすでに結構集中していたようで、リヴァイの言った内容も上手く耳に入らなかったようだ。


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