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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第18章 少女が見たもの




外へ出ると、昇り始めたばかりの朝日が街を柔らかな光で照らし始めていた。
こんな早朝に外を行き交う人々の姿はほとんどなく、澄んだ空気が街中を包み込んでいる。



「イーグル!」

リヴァイがイーグルを連れてくると、エマは名前を呼びイーグルへと近づいた。

「えと、確かこうでしたっけ…?」

エマは前にリヴァイに教えられたことを思い出しながらイーグルの鼻をそっと撫でると、イーグルは首を振って嬉しそうだ。


「匂いを覚えてたみたいだな。お前のことはどうも気に入ってるらしい。」

「本当ですか?」

「こいつは結構気難しいやつで気に入った人間にしか心を開かねぇが、どうやらお前には気を許してるみたいだな。」

「そうなんですね!ありがとう、イーグルってひゃっ!」

もう一度イーグルに触れようとすると、勢いよく擦り寄せてきた鼻がエマの胸にグリグリと押し当たった。


「あははっ!くすぐったいよぉ!」

嬉しそうにイーグルと戯れるエマの表情はやはり少しあどけなさが残っていて、そんな所もまた可愛いなと素直に思ってしまうリヴァイであった。







「仲良くしてるところ悪いが、そろそろ出発するぞ。」

「あっはい!イーグル、お願いします!」


エマは律儀にも馬に向かってぺこりとお辞儀をしていた。

本当に面白いやつだ。見てて飽きない。


先に馬に乗り、手を引いてエマを後ろへ乗せてやると、ついさっきまできゃっきゃとはしゃいでいたのに急に大人しくなった。


「どうした?そのままじゃ出発できねぇだろ。」

後ろを振り返ると、エマは馬の背中に手を置いたまま黙ってこちらを見つめている。


「あ、……なんか緊張しちゃって、へへ。」

照れ笑いを見せるエマ。
直ぐに何に緊張しているのかは察しがついた。


「そんなことでいちいち緊張してたら馬から落ちるぞ。いいからこっちに腕を回せ。それにもっと俺にくっついて座れ。」

「はい!」


両手を掴んで自身の腰に回させ、エマの腰を自分のへ寄せてやった。

目を逸らして恥じらう頬は、徐々に赤みが増していく。

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