第17章 心を通わせた先 ※
エマの靴を脱がせ自身もブーツを脱ぎ捨てると、横たわる彼女の上に覆いかぶさった。
少し不安そうに見上げるエマ。
その上気した頬にそっと唇を押し当てると、緊張が少しだけ解けたのか目を細めて少し微笑んだ。
その表情にリヴァイの胸はドキンと鳴る。
見下ろしたエマの顔は、少女のあどけなさが残る可愛らしさの中に、“女”の色気をはっきりと覗かせていたのだった。
「………いいか?」
艶のある黒髪を優しく梳かしながら問いかけると、“はい…”と控えめな返事が聞こえた。
普段の自分なら、ベッドに入れば己の欲望のまま行為に及んでいたのに、エマを前にすると何故かそのようにはいかなかった。
この白く透き通った肌に触れるのでさえも、気遣うような言葉をかけてしまう。
小さくか弱いエマを壊してしまわぬよう、大切に大切に抱いてやりたい…
今まで色々な女性と肌を重ねてきたが、そんな感情が沸き起こったのは初めてのことだった。
リヴァイは濡れた唇や紅い頬、こじんまりとした可愛らしい耳にいくつものキスを落としながら、シャツのボタンを外していった。
少しずつ露わになる素肌に、それだけで欲情してしまう。
まるで思春期真っ盛りの頃のように、簡単に昂ってしまう自分が少し可笑しく思えた。
全てのボタンを外しシャツをはだけさせると、目に飛び込んだのは陶器のような白く滑らかな肌。
リヴァイはゆっくりと身体の輪郭をなぞるように、その美しい肌に指を這わす。
それだけで時折ピクッと身体を震わすエマが愛おしくて仕方がない。
「エマ、こっちを見ろ。」
目を瞑り切なげに眉を下げるエマへ指示すれば、濡れた瞳がこちらを向いた。
目があっただけなのに反応してしまう下半身。
彼女の一挙一動に心を鷲掴みにされながら、リヴァイは再び激しいキスを送った。
口内を弄んでいた舌を徐々に首へとずらしていく。
「…あっ………」
首筋を舌先でツーっと舐めあげた時、一際高い声が聞こえた。
「ここがいいのか?」
返事はないが息を荒くしながら首を伸ばして、もっとしてほしいと言っているように見えた。
首筋から鎖骨にかけての愛撫を続けながら、ついに胸元を覆う布を取り去った。