第15章 喪失 ※
「……いえ」
落ち着いた声で答えるエマ。濡れた瞳は真っ直ぐエルヴィンを見据えていた。
「見ての通り私はこの先たぶん歯止めが効かないと思う。だが君を傷付けるような真似はしたくない。もしダメなようなら私に気を遣わず正直に言ってくれ。」
エルヴィンは僅かに残された理性を働かせもう一度エマの気持ちを確認する。
見れば股間は衣服の上からでもはっきり分かるほど膨れ上がっていた。
エマは彼に対してコクリと頷き口を開いた。
「…大丈夫です。覚悟は、出来てますから……」
「そうか…なら…」
エマの気持ちを確認すると、エルヴィンは下着に手をかけ一気に奪い去った。
膝を持って足を開くと、じっくりと愛撫したおかげもあってか中心の蜜壷からは厭らしく光る液体が見え隠れしている。
もう充分受け入れられそうにも見えるが、エマは恐らく初めてのはずだ。
それに先の辛い経験もあるし、心も身体も慎重にを慣らしてやった方がいいだろう。
エルヴィンはエマの陰部に中指を沿わせ愛液を絡めとると、その指で陰核を刺激し始めた。
「あっ!……あぁ……あっ………」
「やはりここは好きなようだね。」
陰核への刺激を続けながら耳に顔を寄せ囁く。
エマは顔を両手で覆っているが、先ほどまでとは違う痺れるような快感に声を我慢することができなくなっていった。
その反応にエルヴィンは満足そうな表情を浮かべると、指のスピードを徐々に早めていき、さらなる快感を送り込んだ。
「あぁっ…だ、め……あっ、……える、……だんちょ…」
「苦しそうだな…一度楽にしてあげようか。」
「はぁっ………あぁ……あ………」
「そのまま私に身を委ねなさい。」
次第に昇りつめていくエマを、力加減は一定に指の動きだけを早めてその頂点へといざなった。
「………あぁぁっ!」
まもなくエマは一際大きな声を上げ、足をガクガクと震わせながら腰を大きく波打たせた。