第15章 喪失 ※
吸い付くような肌に指を滑らせ、その感触を味わった。
目を開けたエマは耳まで顔を真っ赤にし、エルヴィンの視線から逃げるように顔を横へ背けていた。
彼女の肌に触れるか触れないかの距離で舌を這わせれば、身体はそれだけでピクリと震える。
正直に反応するエマについ嬉しくなってしまう。
身体にも心にも、深く自分を刻み込んでやりたい。
このまま彼女のすべてが自分だけのものになってしまえばいい。
そんな願望にも似た思いを込めながら、舌を胸元へと滑らせる。
エマは切なげに顔を歪めてまた吐息を漏らし始めた。
「ん……」
「我慢すると余計辛いぞ。」
「…っ……ぁあっ…」
エルヴィンは形のいい膨らみに舌を這わせながら、桃色の頂を口に含む。
するとその瞬間口から聞いたことのないような声が漏れてしまい、エマは驚いて素早く手で口を覆った。
「んっ……んん…」
「塞ぐなんて勿体ない。私にもその可愛い声を聞かせてくれ。」
「あっ……あぁ……はぁっ……」
隆起した突起を舌で転がしながら、口元にあてがわれたエマの手を掴んでベッドに押さえつける。
同時にピンと固く主張する頂点を吸い上げれば、彼女は甲高い声を響かせた。
「エマ…可愛すぎてどうにかなってしまいそうだ。」
「…んあぁ……だんちょ…………やぁっ……」
「すまない、もう止められそうにない。」
エルヴィンは背けていた顔を正面へ向かせ、一度だけ優しくキスをすると彼女のズボンに手をかけた。
既に部屋着だったためいとも簡単に脱がすことに成功し、とうとうエマはエルヴィンの前で下半身を隠す布一枚のみの状態になってしまった。
反射的に足を閉じようとしたが、太ももを掴まれて強制的に開かされてしまう。
「えっ、エルヴィン団長…!」
咄嗟に名前を呼んだエマの身体には再び力が入っていた。
「エマ…私が怖いか?」
エマはひと月前に憲兵に襲われた。記憶もきっとまだ残っているだろう。
ここまでたどり着くまでもそのショックを思い出させてしまわないように十分気を遣ってはいたが、やはり辛い記憶を思い出させてしまっただろうか…