• テキストサイズ

【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第2章  始動




エマは一旦自分の部屋に戻ったあと、リヴァイから借りた服を持ち彼の部屋の前に立っていた。


「たたみ直し…とか言われないかな。」


な、なんか緊張するな…

ハンジさんから色々とリヴァイさんの話を聞いたからかな。

ヘマしないように気を付けよう…




ガチャ一



「おわっ!?」

「色気のねぇ声だな。」

「リ、リヴァイさん…」


どうして私が居るって分かったんだ?


「…畳み直しはしなくていい。」

リヴァイはエマが手に持つ服に一度目線を落としてから、そう言った。


「聞こえてたんですか!」


あぁ、恥ずかしい…

というか私、そんな大きな声だったのかな。

この人、耳良すぎじゃないのかな…



「あっあの、服!ありがとうございました!
自己流ですけど感謝の気持ちを込めて洗わせていただきました!」

エマはテキパキとしゃべりながら、畳まれた服をリヴァイの前に勢いよく差し出すと、ペコっと頭を下げた。


「…悪くない。」



あれ…笑ってる…?



リヴァイの口角がほんの一瞬僅かに上がったように見えた。
いや、見間違いかもしれないけど…でも。

多分、笑った。

そう思うとさっきまの緊張がスっと緩んでいく。
エマは表情を緩めた。



「なんだ?俺の顔に何かついてるか?」

「い、いえ何も!
そのなんていうか、ハンジさんからリヴァイさんのこと色々聞いていたので緊張しちゃってて、でも今笑ってくれた気がしてなんだか嬉しくなっちゃってつい私も」

リヴァイの抑揚のない低い声に、エマはドキッとして早口でペラペラと喋ってしまった。


「そうか。服、ありがとうな。」

慌てるエマを見るリヴァイの目は穏やかで、こんな表情もするんだと思った。



「それで?ハンジから俺の何を聞いたんだ。」

「え?!」

「あいつが俺のことをなんて言っていたのかって聞いてんだ。」

「あっえとえと、神経質だとかすごく綺麗好き…とか。」


あー何言ってるんだ私!
人類最強とかもっといい事言えたはずだろ!


これは完全に失言だ、と恐る恐るリヴァイを見ると元々鋭い眼光をさらに尖らせている。


/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp