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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第15章 喪失 ※





オルオが壁外調査に出られなくなり、リヴァイ班は急遽班の再編を迫られることとなった。



今回、リヴァイ班はハンジの班と協力して捕獲作戦を担当することになっていた。


捕獲を目指すとなると、やはり巨人との戦闘は避けられない。

しかも四肢を切断しながら巨人を殺すことなく捕獲することが必要なため、捕獲班は適切な人員配備のもと綿密な作戦を持って遂行する必要がある。

それが今回、オルオの怪我で編成に穴が空いてしまったため、急遽新しい人員を迎え入れることとなったのだ。



もう三日後には壁外調査なのに今から班の再編をするのは正直言ってキツイが、そんなことも言ってられない。


何の成果も上げられないまま壁内に帰る訳には行かないのだ。

だから作戦成功のために今できる最善を尽くす必要がある。







「え?!オルオさん怪我したんですか?」

「軽い捻挫だ。残念だが今回は調査には出られねぇ。」

「そうですか…」


エマは不安になった。

今まで時間を掛けて打ち合わせと実践演習を繰り返してきたのに、直前で人員の入れ替えなんて。

オルオの怪我ももちろん心配だが、作戦は上手く行くのだろうか…



「作戦は成功させるよう残りの時間でなんとかするから、お前は余計な心配をするな。」

「すみません。いきなりのことで、つい。」

顔に出てしまっていただろうか、不安な気持ちを悟られてしまった。


「まぁこんなことも全く想定外って訳じゃねぇよ。ただまた忙しくなりそうだ。今からさっそく打ち合わせもある。
お前一人にまた面倒な書類仕事を任せることになっちまいそうだが頼めるか?」

「それは全然構いません!兵長は調査のことに出来るだけ集中してください。」

「悪いな、助かる。」


リヴァイは短く礼を言うと、必要な資料とペンを抱え、もう一度エマに「よろしく頼む」と言い執務室を出ていった。







エマはリヴァイの背中を見送ると、ふぅっと短く息を吐き椅子に座り直す。


忙しい兵長のためにも、私は私に出来ることをきちんとしよう。


一人残された執務室に、再びペンを走らせる音が鳴り始めた。


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