第2章 始動
「まぁほとんど当たりかな。
ああ見えてリヴァイはすごく情に厚くて仲間思いだよ。だから皆、彼のことは信頼してる。」
「そうなんですね…」
意外、とはあまり思わなくて、ハンジの言葉にもなんとなく納得できた。
しかし、
「あとねぇ、彼は無茶苦茶に強い。」
「そうなんですか?!」
「ハハ!想像つかないかい?
リヴァイの強さは、一人で普通の兵士4000人分に相当すると例えられるくらいだよ。人類最強とも言われてる。」
「よ、4000人?!…人類最強……」
こちらにはかなり驚いた。
それまでエマが抱いていたリヴァイのイメージとはかけ離れたものだったからだ。
あの小柄な身体にそんな人間離れした力が秘められているなんて…
「信じられないって顔してるね?まぁ、いずれわかると思うよ。あ!そうそうそれともう1つ!」
ハンジはエマにぬっと顔を近づけてきて、反射的に体を引いてしまう。
「彼はすごく…神経質だし、超がつくほどの綺麗好き、潔癖症だ。」
「え!そ、それも意外ですね…」
「だろ?私も彼の綺麗好きにはほとほと困ってる所なんだよね。」
そう言いながらエマから離れると、ハンジはんーっと伸びをしていた。
エマはその姿と彼女の散らかり放題な部屋を交互に見つめると、彼女が言った台詞に妙に納得してしまったのであった。
「それじゃあ、私はそろそろ部屋に戻りますね!
ハンジさんのお話はすごく興味深いものばかりで楽しかったです!」
「あれ、もう帰っちゃうの?」
「明日は訓練ですし、あんまり長居するのもと思いまして!それに、リヴァイさんに借りた服を返しに行こうと。」
「あぁ、そうだったね。行っておいで。もし寝られなかったりしたらいつでも来てくれていいからね!」
「はい、ありがとうございます!」
「じゃあ、おやすみ〜」
「おやすみなさい!」