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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第13章 板挟みの中で





“私の事どう思ってるんですか?”


なんでこんなバカみたいな質問をしてしまったのだろう。




「うっうっ………うぅ……」


次々溢れ出る涙を腕で雑に拭いながら、エマは廊下に立ちすくんだ。








たぶん自分の中でどこか期待していたんだ。


兵長はもしかしたら、自分に好意を寄せてくれているんじゃないか、って。




髪結紐をプレゼントしてくれたこと

憲兵から助けてくれた時、優しい口付けをしてくれたこと

その夜、ベッドで包み込んでくれたこと




他にも、私の心を揺さぶるような兵長の言動一つ一つが積み重なって、知らないうちにそんな気になっていたんだ。


そんな中、団長とのことを暴露した途端にあの濃厚なキスをされて、その期待は身勝手にも益々膨らんでしまった。


だからあの質問には、どこかできっと自分の期待通りの答えが返ってくるんじゃないかって勝手に思い込んでいたんだ…






“お前は元の世界で幸せになるべきだ”



リヴァイの言葉は、エマの心を想像以上に深く抉った。


そして同時に、自分が考えていた以上に自分の心はリヴァイに惹かれていたことにも気付かされた。


さっきから胸の奥が痛んで、苦しくてたまらない…




エマは小さく嗚咽を漏らしながらとうとうその場にしゃがみ込んでしまった。



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