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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第12章 ここにいていい理由




「エマ、大丈夫か?」

「はっごめんなさい!」

エルヴィンの気持ちを詮索していたら、急に眉間にトンと指が置かれた。
そしてフッと笑いながらエルヴィンは言った。


「こんな所に皺を作っていたら可愛い顔が台無しだな。」

「そ、そんなに皺寄ってましたか…」

いけない、本人の前なのに考えを巡らせすぎた。


「そんなに難しい顔をして、まだ不安なことがあるなら聞くよ。」

「いえ……大丈夫です!何でもありません!」



いくらなんでも本人に直接、これは告白なんですか、なんて絶対に聞けない…


エマは努めて明るく答えた。



するとエルヴィンは少し彼女を見つめた後、その頬にそっと手を添え

「…君が何を考えていたか当てようか。」

と、どこか嬉しそうに言った。


「えっ?」

エマはエルヴィンの発言にドキリとして、つい間抜けな声が出てしまう。



「私の言ったことを疑っているんだろう?」


エルヴィンは嬉しそうな表情を崩さず尋ねた。



「い、いえそんなことは…」

エマは咄嗟に否定しようとしたが、エルヴィンの推測はおおよそ当たっているので口ごもってしまった。

疑っているつもりはないが、彼の気持ちをどう捉えていいか分からず少し困惑しているのが本当のところなのだが…



「結構分かりやすく伝えたつもりなんだがな。」


エルヴィンは困ったように笑うと、頬に添えた手を滑らせ、謙虚な唇に親指を這わせ始めた。

その瞬間エマの心臓は跳ね上がり、身体が強ばってしまう。



「言葉で分かってもらえないなら、行動で伝えるしかない…だろうな。」


エルヴィンは澄んだ瞳にエマを映しながら、唇に這わせていた指を顎へと運び、顔を少し上に向かせた。


その言動にエマの身体は急激に熱を帯びていく。



今まで経験がない自分でも、この先エルヴィンが何をようとしているのかぐらい予想はつく。




一何か言わなきゃ



エマは咄嗟にそう思うが、こういう時に限って口からは何も出てこないし、そこから一歩も動くこともできない。



そしてエマの小さな唇に、熱を帯びた唇が重なった。




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