第11章 ウォール・シーナにて ※
「いっ……!!」
初めてな上にまったく慣らされていないそこは濡れているはずもなく、エマは避けるような痛みに短く悲鳴を上げる。
「ん?君はもしかして……」
男は眉をひそめ呟くが、指はお構い無しに奥へと進む。
エマは痛みとショックで涙を流しながらも、気を確かに持とうと自分の腕を思い切り噛んだ。
「クククク………そうか、初めてなのかぁ。てっきりあの二人に散々弄ばれてると思ったんだが、これは意外だったな。」
そんなエマの様子を見て男は心底楽しそうに言うと、陰部から指を引き抜き自身のベルトに手をかけた。
カチャカチャとベルトを外す音に、エマは我に返り目を見開く。
「や……やめて…………」
必死に絞り出した声で懇願するが、その様は男の情欲をさらに煽ってしまうだけだった。
「大丈夫だ、すぐに気持ちよくしてやるよ。」
「やっやめっ!いやぁああっ!!」
バタン!!
「何っゴフッ!!!」
それは一瞬のことであった。
衝撃音と共にドアが破られ、男はすぐさまドアの方に顔を向けるが、次の瞬間にはその体が思い切り吹っ飛んだのだ。
エマは何が起こったのか分からず、男が飛んで行った方とは逆の方に素早く視線を移した。
その瞬間、エマは目を見開いた。