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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第11章 ウォール・シーナにて ※





「待たせてすまないな。」



エマ達がイーグルと戯れていると、エルヴィンも馬を引き連れてやってきた。

エルヴィンの馬はイーグルより一回り大きく、真っ白な毛並みが上品さを際立たせている。



「おはようございます、エルヴィン団長!」

「おはようエマ。」



「遅かったな、クソでも長引いたか。」

「すまない、朝からハンジに捕まっていた。」

エルヴィンはそう言うと早速馬に跨り、エマに手を差し出した。
リヴァイも自分の馬へと跨る。


「では行こうか。」

「あ、はい!」


エマはエルヴィンに引っ張ってもらいながら、毛並みのいい白馬に跨った。




「すごい!眺めがいいですね!」

「ハハ、そうだろう。しっかり捕まっていなさい。」


背の高い馬の背中から見下ろす景色はとても気持ちが良く、感嘆の声を漏らした。

するとエルヴィンの手が伸びてきてエマの手を捕らえると、自身の腰にしっかりと巻き付けるように抱きつかせる。

こうしてエマの体は自然とエルヴィンの背中に密着する形になった。

大きな背中からふわりと香るエルヴィンの匂いとじんわり伝わる体温に、エマは少しだけ鼓動を早めてしまった。




















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「エマ、大丈夫か?」

「お尻が…痛いです……」

「こまめに休憩はしたが、初めての乗馬にしちゃあ大層な距離走ったからな。無理もねぇ。それとはしゃぎ過ぎだ。」


日も高く登ってきた頃、三人はウォール・シーナ内の憲兵団基地に到着した。


慣れない乗馬に痛めた尻を手で摩るエマは、リヴァイの言葉に口を開く。


「すみません、乗馬がこんなに素敵なものだったことに感動しちゃってつい…」

「エマが楽しそうで、私も楽しかったよ。非現実的な体験もたまにはいいだろう?」

「ここへ来てからずっと非現実的な体験ばかりですよ!でも、今日のは格別でした!」


そう、ここにある全てのことが彼女にとっては非現実的で、真新しいものばかり。



「そうか、これだけでも連れてきた甲斐があったというものだ。」

エルヴィンは興奮気味のエマを見て嬉しそうに顔を綻ばせていた。






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