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愛のカタチ【ONE PIECE】サボ編

第2章 近づく二人の距離



リラは、部屋で一人眠れずにいた。
いつも、誰かから追われる身。眠っている間に連れていかれそうになったこともあった。守られてるとはいえ、警戒を解くことができなかった。

(暖かいミルクでも貰ってこようかな)

まだ、起きてる人がいるかは分からないが、リラは、そぉーっと部屋を出て、食堂へと向かおうとする。が、まだ慣れてない場所だ。迷子になってしまった。

(どうしよう…身体冷えてきた…)
「…っくしゅん!」

その時、ふわりと毛布をかけられ、抱き上げられた。

「…え?」
抱き上げた主は誰かと顔を上げると、サボだった。

「ごめんな、分かりづらいだろ?どこへ行きたかった?」

「…サボさん!下ろしてください。」
サボの胸を叩いて暴れるも、お構い無しのようだ。

「いやだ、下ろさない。」

「下ろしてください……」
足をバタバタとさせて暴れてみた。

「ダメだ!こんなに身体を冷やして、来た早々、風邪を引くつもりか?」
少し強めの口調になってしまうことに反省しながらも、彼女を放ってはおけなかった。

リラは涙目でサボを見上げた。
「…ごめんなさい。眠れなくて暖かいミルクを貰いに食堂へ行こうとしてたんです。」

潤んだリラの瞳があまりにも美しすぎて、引き寄せられてしまう。サボは、じっと見つめ返した。
「…キス…していい?」

思わずそんな言葉が出てしまった。

「…え?いま、なんて言いました?」
そう聞き返した時、ふわりとサボの唇がリラの額に触れた。

「…チュッ」

ゆっくりと離れた。

「……」
(今、サボさん、額にキスした?)


心臓の鼓動が伝わるのではないかと思うほど、ドキドキした。それはサボも同じだった。リラは、顔から湯気が出そうなほど、赤くなっていた。

一瞬何が起きたか分からず、固まっていたリラだったが、はっ!と気がつき、サボに下ろしてと再びお願いする。

「…食堂まで連れていく。そしたら下ろすよ。だからその間に、どこを通るか覚えて。」

サボの力には適わないと悟り、リラは大人しく、食堂まで連れていかれることにした。次はこんなことにならないよう、しっかりと道を覚えた。




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