第5章 "過去"というライバル
夕食を終えて、リラは今日の片付け当番ということで、他の当番の者と一緒に片付けをし始めた。
「リラ、後でね。」
「サボ。後でね。」
サボは偵察の報告書を纏める仕事をしなければならないため、先に部屋に戻ることにした。
リラは、片付けを終えて部屋に戻り、お風呂の準備をしていると、扉がノックされる。
「はい。どうぞ。」
入ってきたのはコアラだった。
「リラちゃん、お風呂一緒に行こう!」
「う、うん。」
コアラの勢いに圧倒され、了承の返事をするしかなかった。
二人は一緒にお風呂に向かう。
湯船に浸かりながらコアラはリラに言った。
「リラちゃん、サボくんのこと、宜しくね。」
「え?」
「サボくん、かなり真面目に仕事してたみたい。サボくんにしては珍しい。リラちゃんに早く会いたくてかなり頑張ったみたいなの。サボくんを変えてくれてありがとう。今までの彼女は、ここまで変えられなかったから。色々言う人がいると思うけど、私は二人のこと応援してるから!」
「ありがとう、コアラさん。」
リラはニッコリ笑った。
なんだか色々モヤモヤしていたけれど、コアラに応援されて嬉しくなった。
と同時に、コアラに嫉妬したことを申し訳なく思った。
二人は一緒にお風呂から戻り、リラは、部屋で髪を乾かした。
サボは一緒に寝たいと言っていたけれど、仕事をしているようだ。
邪魔をしてはいけないと、リラは一人で寝るつもりで、ホットミルクを食堂に貰いに行こうとしていた。
その途中…
サトより少し前に入った革命軍の新人のメンバー二人に出くわす。
「よぉ、リラじゃねぇか。参謀総長とは一緒じゃないんだな。」
「…総長は仕事してるみたいで。」
「ふーん。で、一人でフラフラしてるのか。」
「いえ、食堂にホットミルクを貰いに行こうと…」
「眠れないのか?じゃあさ、俺たちと酒飲もうよ。酒飲んで酔えば眠れるからさ!いい酒あるんだよ!」
「私はお酒は…遠慮しておきます。失礼します。」
食堂へ行こうと彼らの前から去ろうとすると、腕を掴まれた。
かなり強い力だった。
「いいじゃん、参謀総長仕事中なんだろ?」
「離してください!」