年齢=恋人いない歴の私が神様の嫁候補にされてたんだが
第1章 #01
「普通は信じていても見えなくて、接触できないし助けてくれないからね。
そう思うのはしょうがないかな。
見えて話せるのは選ばれた霊能力者と小さな子供くらいだよ。
例えばほら、名前が霊視鑑定してもらった占い師の老婆がいただろう。」
「ああ…。」
占い師の老婆が使っていたものは霊視だ。
守護神様である青年が見え、言葉を受け取る事ができていた。
「名前も選ばれし霊能力者であるよ。
私と対話できている。」
「私がですか…なんか実感わかないっていうか。」
「そういうものだよ。小さな子供は我々を見て、
我々と話す事ができるんだけど、
成長する過程で学び、知識が増えると我々が見えなくなるんだ。
なぜなら知識が増えていく内に、見る必要がないと判断するから。
忘れているだけで名前も私とお話できてたんだよ。」
「なるほどです…。というか。話は変わりますが、
いつから私の側にいらっしゃったんですか!?」
「名前が産まれるずっと前から側にいるよ。
名前が小さい頃は私と普通に話していたかな。
あんちゃんいるって指さしてご両親に訴えてたよ。
私が部屋で飛んでる時、天井に向かってバイバイもしてたね。」
「えっええええ!!??」
青年は私の両親の子育てのサポートに追われていたのを
懐かしんで微笑んでいるようだ。
私は飛び上がって驚く。
「驚く事ないでしょ。」
「驚きますよ。
側にいて毎日話してたのに勝手に忘れて…。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」
私は自分を繰り返し責め、青年に許しを請う。
仲良く話していたのに忘れていた。
仲良しの存在を忘れてしまうのは
なんとも情けないと思った。