年齢=恋人いない歴の私が神様の嫁候補にされてたんだが
第6章 #06
「おや。むにゅむにゅしてる…。
名前もしかして。」
抱きしめたままべったりと身体をくっつけてくる。
暑い。
「あの~?暑いんで離してください。
それって私があれだって事ですか?」
私はムッとする。標準体型なのに。
わざわざ誤解されるような事を言ってくる。
青年は笑顔で対応してくる。
「そんな事はないよ。
抱き心地が良いほうがモテるに決まって…ごふ。」
あまりに頭に来たので肘鉄で青年のお腹に直撃させる。
私の肘鉄で流れてたシリアスが崩壊した。
青年はよろける。
元一般人の攻撃によろけてしまう神がいる。
私は青年に呆れる。
「たまにそんなとこ言うの嫌いです…。ぐすん…。」
「ご、ごめん。」
青年は体制を立て直して不貞腐れる私に謝る。
古事記見てればわかるが、
神にだって人間と同じで嫌なところはある。
私が駄目人間なのだと同じだ。
「名前。話は変わるんだけど具合悪くなったりしてない?」
ここに来てから何故だか具合が悪い。
「具合ですか…?
ここに来て食べれないのはいいんですけれど、気持ち悪くって。」
青年は顔色が悪い私の様子を見て、大きな掌で背中をさする。
「本当にここに来てから何も食べてないもんね。」
「はい。少しくらくらします。」
さっきから気持ち悪くて眩暈のようなものがしている。
天の川と星空、お月様がぐるぐる回ってる感じだ。
「そっか。今日はゆっくり休んで。おやすみね。」
「おやすみです。」
青年は私のおでこに口付ける。
青年は拝殿のほうに行く私に向かって手を振って
考え事をした。
神でありながら天の川に願い掛けをした。
「そういえば。大黒様と恵比寿様から聞いたけど、昔一日で妊娠した女神がいたみたいだね。
名前も同じように早く妊娠して、私の子供を産めばいいのに。
私にそっくりな子なら可愛いだろうね。」
自信を持ちながら微笑み、青年も拝殿へと帰っていく。