年齢=恋人いない歴の私が神様の嫁候補にされてたんだが
第6章 #06
翌朝。私は体調を崩して寝込んでいた。前みたいに食べすぎたわけでもないのに、とにかく気持ち悪い。
目覚めた時から顔色が悪かった。
「名前。」
横になって寝ていると青年がやってきた。
「おはよう起きて。」
具合が悪いので返事をしない。
「名前どうしたの。
返事しないなんて君らしくないよ。」
私は心配そうにしてる青年の顔を見る。
「ごめんなさい、なんか気持ち悪くてあげそうで。」
「大丈夫?」
「はい。」
青年は寝かえる私の背中をさする。
「今日は寝ていたほうがいいよ。
明日また体調悪かったら霊医の元に行こう?」
青年は私を看病している。
霊医とやらが気になるが。
現世って本当なのか疑わしくなってきた。
「霊医、神様も具合悪くなる事あるんですか…。」
「名前は女神なんだよ。もう人間じゃないの。神様だって怪我したりする話、読んだ事あるだろ。」
人間じゃないなら女神か。
私は唖然とする。私の肉体はどこへ?
「あの、私が女神なら私の肉体はどこへ。」
「それなら私が優しく葬ったよ。
だから今日はゆっくりおやすみ。」
それはそれで意味深だ。
自分の肉体が亡くなっているのだから、発狂して、平然としていられるわけないのだが、私は何故か救われた気持ちになった。生きてる時に苦しい目に合うなら、安楽死したほうがいいとも考えていたからだ。
少し怖かったそれだけの事。
自分でもなんでこんなに冷静になれるんだろう。人間の感情は不思議だった。
「怖いこと言わないでください。」
「怖がるところも可愛いよ。」
そう言って青年は立ち上がる。
「じゃ、ゆっくり寝ててね。」
そして私の元を笑顔で去って行った。
「…。」
私は呆然とする。上げそうになってるのを手で押さえる。お腹が張っていて簡単に寝返りできそうにない事に気がつく。
そこまでスタイル良いわけでもないが、変だ。なんだか体が重い。明日まで具合が悪かったら、青年に頼って霊医の元へ行こう。
そう決心した。