年齢=恋人いない歴の私が神様の嫁候補にされてたんだが
第1章 #01
この人はあんたの守護神様なんだよ。」
「へえ、そうなんですか。名前とかあるんですか?」
笑顔でほぐれる老婆。若い男はいくつになっても好きらしい。
私の側にぴったりとくっつかってる青年は
苦笑いする。老婆が言うに青年こそが
私を守ってくれてる守護神様だと言うのだ。
「神さん。お名前は…?」
「…。」
老婆に名前を聞かれるが青年は知らんぷりをして
そっぽを向く。
「やはり名乗らないか。低級霊ではないみたいだね。
さて…話を変えて占いたい事はあるかい?」
「せっかくだから。じゃあ恋愛と結婚の事を占ってほしいなぁ。」
私は微笑む。
青年は低級霊呼ばわりされて不機嫌になり
老婆を睨んだ。
「年頃だものねえ。それでは始めようか。」
青年は私の隣から離れる。
老婆がタロットのケースを開ける手を自らの手で抑え込む。
老婆の手は全く動かなくないどころか、
まるで悪い事から守るかのように。
「神さん何をするんだい!?」
「翔子はねこれからも変わらず私と一緒にいるんだよ!離れたくないの!
占いなんてまやかしで簡単に運命を変えないでよ!」
目の前で何が起こってるのかわからなくて、私は茫然としている。
「申し訳ない。恋愛と結婚の占いはできない。
あんたの側にいる守護神様に怒られてしまうから。」
「なんて怒ってたんですか…?」
私は聞く。
「大変言いにくい事なんだけど聞いてくれるね。
あんたの側から離れたくない一緒にいたいって言ってるの。
とても好かれているわよ。
あと最後にもうひとつ。
恋愛できないから欠陥人間でもないの。
愛してくれる人が誰もいないなんて、悲劇ぶるのはとんでもないからね。
世界中には誰かひとり、自分を愛してくれてる人がいるという事を忘れないで頂戴。
その人があんたの側にいる守護神様なんだよ。」
私は涙を流す。
青年が側に寄り添い頭を撫でる。私は青年を涙目で見た。