年齢=恋人いない歴の私が神様の嫁候補にされてたんだが
第3章 #03
私は綺麗で幸せなところに連れ出されていた。
目を覚ます。
今まで眠っていたようで。
建物は、平安時代の貴族お屋敷といったところだろうか。
和風庭園と風景が見える。
蝶が舞っていて花も咲いている。
池と小川の水も透明度が高く、空気も澄んでいる。
「おはよう。」
「ここはどこですか?」
ふわふわの布団に寝かせられていた。
自分が何を着せられているかも気付いてない。
「私の天界のおうちだよ。」
青年は床に座って私の様子を見ている。
自分のしている格好を見る。
思いっきり白装束を着ていた。
「てんかい…私…死んじゃったんですか?
着ているものだって死に装束だし…。
ここから帰してほしいです。
夢なら覚まして、お願い。」
パニックになって頭が真っ白になる。
白装束は死に装束だと思うのだろう。
私は髪の毛を引っ張って自らを痛めつけて、目を覚まそうとする。
神様である青年は違った。
青年は慌てずに私を諭す。
「違うね、それは死に装束じゃなくて君にぴったりな花嫁衣裳だよ。
昔は花嫁衣裳なの。
君が街で見ていた純白で煌びやかな、ウェディングドレスより手軽だね。
結婚するためだけに一時的に天界に連れてきた。
安心して。婚約が済んだらさっさと現世へ帰すさ。
私も一緒に戻る。」
あまりにも時代が違いすぎないか?と困惑する。
私は帰れると聞き、ほっと胸を撫で下ろす。
だけど待ってほしい。
明らかに結婚という二文字が聞こえた。
「なんだ。帰れると聞いて安心しましたよ。
これって昔は花嫁衣装だったんですね。
はじめて知りました。」
「君は私とやらなきゃいけない事がある。
少し準備するから待ってて。」
青年はそう行ってある物を取りに奥へと行く。