年齢=恋人いない歴の私が神様の嫁候補にされてたんだが
第2章 #02
ひとしきり甘えた後、私は結婚の話をする。
「結婚のことで話があるんですけども…。
だからって神様のお嫁さんになるって決めるわけじゃ…。
生身の男との恋愛だってまだだし…。
子供だって産まなきゃ。」
ちらちらと青年を見やりながら言う。
「そうか。でもでもだってちゃんは私には通用しないんだよ。
生身の男との恋愛は諦めてくれないかな。
ごめんね。名前の家の神様は対価寄越さないって
怒ってる。かと言って嫁に来る名前を怖がらせてもいけない。だから私はその神様の代わりに、対価を得なきゃいけないんだ。」
祖父が商売をやっていて商売繁盛の神二体を祀っていたと聞く。
対価も寄越さない。
元は私の母親が約束された対価だった。
私の母親は父親に取られたから、なんとしてでも苗字家の娘が欲しいと神様に青年が依頼されたのである。青年も無名だが商売繁盛の神の一人だ。
「それで神様の怒りが鎮められるのなら…。
ごめんなさい…。
子供産んで親孝行できない娘で…。」
両親に詫びる。
「対価とは私の上司の神様二人は言うけれど、名前を愛してるのは本当なんだよ。さあ、契りを交わしに綺麗で誰でも幸せになれるところへ行こう。おいで。」
青年は大きな手で私の手を掴み強引に引っ張って、連れ出そうとする。
「まって…まだ…覚悟がっ!」
「何も不安がる事はない。」
青年はそう言って口元で微笑み、私に何かを掛ける。
体制がくずれた時青年は私を抱き支える。
優し気な眼差しで私を見つめる。
「今からいくとこは誰でも幸せになれるところ。
食べる必要も金稼ぐ必要もない。
ただ性的欲求だけは残るとこだよ。楽しみにしていてね。」
これが何を意味するのかは私にはわからない。
想像もつかない。
どこに連れていかれるんだろう。