年齢=恋人いない歴の私が神様の嫁候補にされてたんだが
第2章 #02
青年は私の側に駆け寄り、座ってそっと肩を抱いて口を開く。
とても優しい口調で言って聞かせる。
「名前が自分でだめだと思っていることも、私にはとても魅力的に見えて愛おしいよ。男として足りないところを補いたくもある。ずっと側にいた私にはすべてお見通しだから。どうかな…?」
はじめて愛してると言われた。
それも私よりも高いところにいる存在から。
あの占い師の老婆が言うように
私を認めてくれる存在っていたんだ。
「それってつまり…愛の告白、ですか。」
「あれ意外。質問に質問で返すんだね。そうだよ、その通りだよ。」
私は思わず青年に感謝する。
「ありがとう。なんだかお兄ちゃんがお兄ちゃんでなくなっていくような気がします。神様だけど、やっぱり男の人なんだなあって。ぎゅーしていいですか?」
「いいよ。」
私は青年が着ている白い狩衣の裾をつかんで、見つめる。
そして青年に抱きついた。
「名前いい匂いだね。可愛い。」
「えへへ。」
青年の胸板に私はほおずりして甘える。
この時間だけが永遠に続けばいいなと、私は思った。