第1章 巨大樹の森に連れてって
「戻りますけど?だって、体験入団は今日までで-」
「は?」
サイとリヴァイは意味がわからない、という風に見つめあった。
ばーん!と突然食堂の扉が開く。
「ただいまー!」
ハンジが大声で叫ぶ。
「ち、やっと戻ってきやがったか」
ハンジの後ろから燃え尽きたような兵士が十数人ほどぞろぞろやってくる。上着の紋章が、駐屯兵団、憲兵団入り混じっていた。あいている席にそれぞれ着席すると、ハンジは手を叩く。
「さあさあ、壁外調査お疲れ様!昨日の朝から何にも食べてないからおなかが空いただろう?みんな思い存分食べてね!で、正式にこの調査兵団に移りたい人はあとで報告に来てくれ!契約書に署名してもらうから!」
-昨日の、朝から?サイは眉をひそめるが、問題はそこではない。
「リヴァイ兵士長。あそこの兵士は...壁外調査に出てたみたいですけど」
「...あっちはてめぇと違ってクソメガネが企画した体験入団らしいからな」
サイは、なんか変だ、と思った予感は正しかったことを思い知る。
「あの兵士長、ひょっとしてなんですけど」
「リッバーイイ!」
ハンジは突然現れるとリヴァイに抱きつこうとして、リヴァイに殴られる。確かに、少しにおう。サイは思った。
「!っ...くせぇんだよてめぇは!風呂何日入ってねぇんだ!」
「ほんの数日だよ...ひっどいな、きみは...ん?」
ハンジはサイをありえないほど至近距離で見つめた。
「リヴァイ?この可愛い子は誰かな?リヴァイの彼女?」
「そんなわけあるか、クソメガネ」
リヴァイはハンジを睨んだ。
「駐屯兵団から来たサイだ。今週の初めに入団した。てめぇの代わりに仕事したんだ。感謝しろよ」
「ほぉ!そうなの!?よろしくね!えと、サイ!」
握手して喜ぶハンジにサイは、変な方向に話が進んでいてこれはまずい、と口を開く。
「あの、ハンジさん、私、正式に入団したわけじゃなくて、体験入団希望、で来ただけなんですけど」
「ん?」
ハンジが笑顔で首をかしげる。
「...は?」
リヴァイが不機嫌そうに言う。