第1章 巨大樹の森に連れてって
リヴァイが悪びれもせずに涼しい顔をして言う。
そもそも、発端はこのリヴァイが体験、という言葉を聞き漏らしていたことにある。
「リヴァイ、きみの勘違いにグッジョブ!こぉんな可愛い兵士がきてくれたなんて!もぉ大歓迎だよ!」
「...」
サイはショックのあまり声が出ない。
呆然とするサイの手をハンジがしっかり握り締める。
そして、顔が、やはり近い。
「なかよく、しようね?ええと、サイ...ファミリーネームはなんていうの?」
「シュルツ」
リヴァイが呟く。
「シュルツ...?きみ犬の絵は描くの?」
「...いえ、描かないですけど...」
「そうなの?まぁいいけどさ...ていうか、サイ...きみなんかすっごくいいにおいがするね...」
サイの首にハンジが巻きつき、なぜか擦り寄ってくる。
こんなやや変態チックな人がいるエキセントリックな兵団でやっていけるのだろうか。
サイは途方に暮れつつ、リヴァイをうらみをこめて見た。
「ふっ...」
リヴァイがサイを見て少し哀れむような、笑いをこらえるような様子で漏らす。
サイは時には軽い好奇心がこんなに重大な結果をもたらすこともある、とこのときほど痛感したことはなかった。