第1章 巨大樹の森に連れてって
「ここに来たとき、入り口の調査兵の方に体験入団希望です、そう伝えて部屋に通されて、しばらく待つように言われまして...そしたらリヴァイ兵士長が来られて」
「...おまえ、普通の入団希望じゃなかったのか?」
「はい」
三人が黙りこくる。
「...まずいな」
リヴァイが顎に手をあてて呟く。
「はい?」
「お前の署名したアレは正式な入団を申請する用紙だった。それはもう受理されてる。だからてめぇは、もう調査兵団の一員で、駐屯兵団の一員じゃない」
「ええ?」
サイは驚いて立ち上がる。
「ど、どうするんですか!?リヴァイ兵士長!署名する前に確認してくださいよ!」
とんでもない間違いだ。サイは慌てた。一週間だけなら、と軽い気持ちで来ただけだったのに。
「そっちこそ署名する前に内容を確認しろよ」
責任逃れである。サイはリヴァイを睨んだ。
リヴァイは元々目つきがアレなので、こちらを睨んでいるのか睨んでいないのかわからない。
ハンジはにやにやしながら様子をうかがっている。
「サイ、残念だが規則では一度兵団を移ると、一年間は移ることができない」
ハンジが神妙な顔で言った。
「えっ?」
「...ま、今後はここで頑張れよ。希望通り、近いうちに巨人を見に連れてってやるから」