第1章 巨大樹の森に連れてって
再び現れたリヴァイは三角巾をしていて、あらゆる掃除道具が詰め込まれた鞄を腰からぶら下げていた。
この人、プロだ。サイは思った。
リヴァイは、足場を置き、背伸びをしてタンスの上を指ですっと確認してうなずいて、ほぅ...と呟く。
この人ならそこもしっかり確認するだろうと思い、サイはそこも念入りに拭いたのだった。
部屋を一通り確認したリヴァイはサイを見た。
「-気になるところはあるにはあるが、まぁいいだろう。新兵にしちゃ上出来だ。さっさと風呂に入って食堂へ行け。明日てめぇがやるべきことをそこで伝える」
サイは入浴をすませすっきりすると、言われたとおり食堂へ向かった。
どうやら今日は兵舎全体が掃除をする日だったらしい。掃除道具を片手に調査兵がそこらじゅうを掃除していた。ぴかぴかに磨き上げられた建物が光り輝いている。
今日は調査兵団ならぬ、お掃除兵団である。
「-おい、ここはどいつが担当したんだ...」
リヴァイの声が聞こえる。
「オレたちです...」
「全然なってねぇ。全てやり直せ」
「は、はい!リヴァイ兵士長!」
リヴァイ兵士長は巨人の掃討にも、宿舎の清掃にも手を抜かないらしい。誰かから聞いたその噂話に嘘偽りなどなかった。
リヴァイが紅茶のカップを個性的な持ち方で持っている。
サイはそれが非常に気になったが、何かと面倒くさいことになりそうで聞く気にはなれない。
「明日は貯蔵庫の整理だ」
リヴァイは紅茶を飲むと言った。
「え?明日も、宿舎の中、ですか?壁外には行かないんですか?」
リヴァイはカップを置いてサイをにらむ。
「あ?今日入ったばっかりの新兵がいきなり壁外に行けるわけねぇだろうが。バカかてめぇは。だいたいてめぇの生活する場を整えらねぇやつが壁外に行ったところで、ろくな戦果をあげられるわけがない」
これだから中途の新兵は...
リヴァイはぶつぶつぼやく。
サイはなんかよくわからないが、謝っておくことにした。
「すみません...」
「...まぁいい...ここのやり方に早いとこ慣れることだ。で、それで...サイ、てめぇはなんでここに来た」