第1章 巨大樹の森に連れてって
担当の者が来ますので少しこちらで待機しててください。
そう言われて、部屋で待っていると、体験入団者向け巨人レポートなるものがテーブルの上に置いてあったので開く。
3M級、5M級...20M級、奇行種の特徴などが図入りで詳細に記述されていた。
こういうレポートは駐屯兵団でお目にかかることはまずないだろうな...
サイはさすが調査兵団、などと感心して読み入る。
ぱらぱらめくった最後に、調査兵団員の声
~調査兵団入りを志願するきみへ~
が書いてある。
エルヴィン団長は、きみの命が未来を作る、
ミケ分隊長は、風邪は引くな(においが嗅げなくなる)、
ハンジ分隊長は、巨人の謎を解き明かそう!
そしてリヴァイ兵士長は、掃除しろ、夜はとっととクソして寝ろ ←(補足:規則正しい生活を送れ、ということです ハンジ)
...大分、駐屯兵団と違うなぁ、サイはぽつり、と思ったところで扉が乱暴に開いて驚いて見上げる。
「てめぇか、入団希望者ってのは...」
リヴァイ兵士長?
担当はハンジさんと聞いていたので、サイは驚く。
そしてサイはあまりにも感じの悪い話し方にも衝撃を受けた。
「ちっ...こういうのは本来オレの仕事じゃねぇんだがな...」
ぶつぶつ言いながらつかつか入ってくると、契約書とペンを机の上にばん、と置いて、サイの向かいに腰をかけて足を組んだ。
「ここだ。ここにさっさと署名しやがれ、このグズ野郎」
うわ、すごく...口が悪い...
サイはかなり引いて、そして気おされていたが、我にかえって首をふる。ここまで来て引き下がれない。
「わかりました...」
こつこつ、と示された箇所にサイ・シュルツと署名するとすぐさまリヴァイがそれを抜き取る。
「...サイ・シュルツか...シュルツって、てめぇ、どこかの犬のマンガを書いてる作家みてぇな名前だな。てめぇも描くのか犬を」
「...いえ、犬は描かないです」
サイは真顔で答えると、リヴァイはふん、とつまらなさそうに言った。