第27章 家庭教師 ON編 ☆
無理矢理雇われた家庭教師に
智が素直に応じているのには
理由がある。その家庭教師が
二宮であったからだ。
二宮が先生だと紹介された瞬間から
智から不機嫌なオーラは消えた。
親も大満足で二宮を気に入っている。
「成績下がったらさぁ、解雇されちゃうよ?うちの親、にののこと気に入ってるのにー。」
「…もう…やってよ、お願いだから」
「だから、ほら、ちゅー。」
「……したら、やんのね?」
「やるやる♪」
「…目、閉じてて。絶対。」
「はぁい♪」
二宮は智の肩を掴み、
智が瞼を閉じたのを確認して
ゆっくり近付いた。
ちゅ…
「……早くやれよ…//」
「…んふ♪にの可愛い~!ふふふ!」
「っるさい…!お前…次成績下げたら許さねぇからな…」
「上がる上がる♪大~丈夫だよ~♪」
「…はぁ…意味が分かんねぇ…」
「にの、口悪くなってるよ~」
「………。」
智はちゃんとペンを持ち
問題に向かった。
二宮はそれを見て、はぁっと
ため息をつき机に伏せてしまった。
髪の間から見える耳は真っ赤だ。
「…ふっ!」
「っうわ!!…なっ…、に…何すんだよっ!!」
「ふふふ!かぁわいい♪」
「…なに…//なんなの…さっきからっ…!!」
智は真っ赤な二宮の耳に
ふっと息を吹き掛けた。
二宮はもちろん跳びはねるように
驚き、智はそんな二宮に
にこにこと嬉しそうに笑った。
「先生…?」
「…なにっ…//」
「ふふ…にの?」
「だからなにっ…」
「にーの♪…ちゅ」
「んっ…!」
「…ふふ。またしちゃった~♪」
「~~~っ//」
二宮は逃げる間もなく
固まったまま近付いてきた
智にぎゅっと目をつむった。
智は二宮の頬を両手で挟み、
さっき二宮がしたように
ゆっくり近付き…軽くキスをした。