第27章 家庭教師 ON編 ☆
トントン
「智ー!先生いらしたわよ」
「どーぞー」
「こんにちは、智くん」
「先生こんにちは!」
「先生、よろしくお願い致します」
「はい。」
智は高校3年の受験生だ。
親が厳しく、難しい受験を
強いられている。
家庭教師ももちろん勝手に
雇われ、うんざりしていた。
「宿題、やった?」
「うん。まぁだいたい?」
「難しかった?」
「うん。にのヒドイよね、俺が苦手なとこばっか出すんだもん。わざと?」
「当たり前でしょ?」
「うー。厳しいー」
智を担当する二宮は大学生。
名の知られた大学に通う2回生だ。
週に3日、智の担当をしている。
「今日は34ページからね。俺丸付け先にやるからやっててね」
「んー」
――――――――――――――
「ねー先生ー」
「ふふ…なんでいきなり“先生”なの」
「ふふ♪分かんない。ねーにの!やる気出ない」
「知らないよ。やる気なくてもやるのー。今日ここまでやらないと俺帰れないからね?」
「えー…じゃあ帰らなくていっか♪」
「ばーか!帰らせろ」
「ふふふ!でーもー……あ。」
「ん?」
「じゃあ、にのがキスしてくれたらやる気出る!!」
「………はあ?」
「キスだよ!ちゅー!もちろんここに♪」
智は二宮に向かって
唇を突き出した。
「なんでだよ!俺男だよ!」
「知ってるよ?でもして欲しいんだもん。ちゅー!そしたらやるよ?」
「……しなくてもやるんだよ。」
「やらない!にのがちゅーしてくれるまでペン持てない~♪」
「は!?ちょ、ふざけないでよ」
「ふざけてないもん。早くー!ほら、ちゅー!」
「…マジでどうしたの?」
「どうもしないよ?にのとちゅーしたいの。」
「…本気?」
「うん。大まじめ!」
「…なんで…」
「ほらほら、ちゅー。」
「おかしいでしょ…」
「もー。ぐちぐち言ってないでしちゃいなよ」
「しねぇよ!!」
「意地っ張り!!」
「意地も張るだろ!!」