第25章 お兄ちゃん MN編 ☆
「和っ」
「……ん、」
「今日は起きてるんだろ!」
「…じゅんが、いるから…」
「はぁ?なに?」
「潤が…いるから、平気…」
「…何が平気だよ。…ふふ」
やっぱりうとうとし始めた和。
起こしたけど起きなかった。
まぁ…予想通りだけどね。
でも、こんなに器用な和が
俺を頼ってくれてるのが嬉しいんだ。
「和、起きろよ!食堂行こう」
「んー…行く…」
「よく寝ましたねぇ、和ちゃ~ん」
「んー…ふふふ…よく寝たぁ…」
「ふふ…ばぁか!」
「イテっ…んぅ…暴力反対…」
「よしよし!さ、行くぞ」
「んふふ…はーい♪」
寝起きでふにゃふにゃしてる和。
もう大学生なのに幼くて可愛い。
コツンと頭を叩いたら大袈裟な反応。
頭を撫でてやると、んふふって笑って
嬉しそうな笑顔。ほんとに双子か…?
「今日はオムライスな気分。潤は?」
「俺も。あ、サラダ欲しい」
「あ、俺も。」
食堂に来て食べるものは同じ。
好みや気分も何故か一致する。
周りから、やっぱり双子だなって
言われる少ないシチュエーションの1つ。
「ねー、潤。」
「ん?」
「梅雨明けちゃったかなぁ…?」
「んー…降らないなー」
「…もう夏の匂いがするー…」
「ふーん…」
「今年は暑そうだなぁ…」
「どっか行きたいね」
「うん!行きたい!潤とデート~♪」
「デートって…兄弟だろ~」
「でも2人だからデートだも~ん♪」
「…ふふふ」
デート、デートって嬉しそうに
はしゃぐ和はすごく可愛い。
和はいつもそう。
俺と出掛けるのをすごく喜んでくれる。
元々、俺と真逆のインドア派な
和なのに、昔から俺が出て行くと
ちょこちょこっと後ろをついてくる。
双子だけど、こういうところは
弟だなぁって感じる。
「どこ行きたい?」
「せーの…」
「「海っ!!」」
「…んふふ」
「ふふ…すげぇ」
「だって双子だもん、俺ら♪」
End