第22章 お兄ちゃん ON編 ☆
「お兄ちゃん…」
「ん?ご飯食べるか?今日お母さん遅くなるって」
「え…ご飯どうするの?」
「ほら!」
「あ…美味しそう…」
「だろ?ほら、座って!」
「うん…!」
俺の作ったご飯を見て
和がさっきと違って
少し嬉しそうにふにゃっと笑った。
「お兄ちゃん、」
「あ、お箸無理だな?」
「うん…、」
「にぃちゃんが食べさせてやろっか♪?」
「……フォークで、食べるよ」
「…ふふ、可愛い。食べにくいもんだけ、あーん、な!」
「…うん//」
食べさせてやろっか、って言ったら
和は恥ずかしそうに本気で悩んでた。
まぁ俺もちょっと本気だったけど♪
「ほら、和、あーん」
「…ん、…」
「おいし?」
「…おいしぃ…//」
和は俺の5歳下の弟。
いつも俺の後ろを着いてきて
お兄ちゃん、お兄ちゃんって…
すっげぇ可愛くて…。
学校だっていつも一緒に行って
一緒に帰って来た。
小学校しかそれは出来なかったけど。
和のお兄ちゃんって呼ぶ声が好き。
和の照れて赤くなった顔が好き。
和のうるうるしたまん丸の目が好き。
和の甘えん坊なところが好き。
和のふにゃって笑う笑顔が大好き。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「お風呂、入りたいんだけど…」
「あぁ、ビニール巻くんだっけ」
「うん。」
「ちょっと待ってな。」
ギブスが濡れないように
左腕にビニールをして
お風呂に入らなきゃいけないらしい。
和は申し訳なさそうに
ごめんね、って言ってたけど
そんな和も可愛い…♪
「利き腕使えなかったら辛いなぁ」
「うん…」
「書くのは右だから大丈夫だけどな」
「そうだね」
「頭、洗ってやろっか!一緒に入っていい?」
「…ん、…いいの?//」
「和がいいならいいよ!」
「うん//」
頭をポンポンと叩いてやったら
また俺の大好きな笑顔が見れた。
「気持ちいいかぁ?」
「うん、気持ちぃ…!」
「お前はほんとに可愛いなぁ…♪」
「お兄ちゃんはカッコ良いよ?」
「お!ほんと?やったぁ♪」
「んふふ!」
服を着せてやって、
髪の毛を乾かしてやって…
小さい頃に戻ったみたいで
なんか新鮮だった…!!
和も事故の恐怖の裏返しからか、
甘えん坊になっていて
すごく可愛かったし。
ちょっとの間は小さい頃みたいに
後ろを着いてきてくれるかも
しれないな…♪♪
End