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シリーズもの【気象系BL】

第21章 執事 SN編 ☆★




和也が食事を終えると、
櫻井がすぐに食器を片付ける。
そして風呂の準備をして
和也の元へ戻って来る。

「和也様、お風呂の用意が出来ました。」
「……」
「いかがなさいますか?」
「……」

和也は櫻井の言葉に、
ただ頷き、立ち上がった。

「……翔。」
「はい、和也様。」
「一緒に入れ。」
「えっ…あ…お風呂、ですか…?」
「…いや?」
「あ…あの…えっと…」
「……背中流すだけでいい。早く来い」
「…はいっ…かしこまりました、」

突然の命令に櫻井は焦った。
質問に答えられなかったのは
初めてに近いことだった。


「失礼します、和也様」
「……」

櫻井はスーツを脱ぎ、
ズボンの裾を捲りあげた姿で
和也がいる浴室に入った。

「お背中流させていただきます」

櫻井は浴室の椅子に座っていた
和也の後ろに立ち、お湯で背中を
流していると、鏡越しに
和也と目が合った。

「熱くないですか?和也様」
「………」

和也はコクリと頷き、
じっと鏡越しに櫻井を見ていた。

そんな和也に櫻井はニコッと
笑って丁寧にお湯をかけた。

和也が体も頭も洗い、湯船に浸かる。

「………」
「お湯加減はちょうど良かったですか?」
「…ん…」

和也が下がっていいと言うまで
櫻井はずっと和也の傍にいる。
櫻井の質問に和也は気持ちよさそうに
少し微笑んで頷いた。

和也の笑顔は櫻井にとっては
何よりも嬉しいものだ。

「…暑くないの」
「ありがとうございます。私は大丈夫です。」
「でも、シャツ透けてる」
「あ…申し訳ございません、この様な姿で…」

蒸気や汗で櫻井のシャツは透けていた。
櫻井の額にもうっすら汗が
滲み始めていた。

「…翔、脱げ。」
「お気遣いありがとうございます、和也様。しかし私は本当に…」
「脱げって言ってんだよ、聞けないの?」
「…え…」
「ズボンも全部、脱げ。ここで脱ぎたくないなら脱いでから入って来い」
「……はい。すみません、一度失礼します。」

櫻井は一度浴室から出て
脱衣場で言われた通り服を脱ぎ、
タオルを腰に巻いて浴室に戻った。

「失礼します…」
「………体洗って入れ」
「はい…」

櫻井は急いで体を洗い、
和也の斜め向かい側に入浴した。

「…気持ちいい?」
「はい、とても…」
「…すごい筋肉…」
「あ…はい。少しばかり鍛えました…」
「……」

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