第20章 執事 MN編 ☆★
「カズ、ごちそうさま」
「お粗末様でした。」
「美味かったよ。また上手くなったね」
「ありがとうございます、潤様。」
二宮は松本家に代々仕える
家系に生まれ、現在、松本家の
長男、潤に仕えている。
二宮にとって潤の言うことは
絶対で、二宮は一度たりとも
刃向かったことはない。
今日は、二宮の料理が食べたいとの
ご要望で、二宮が潤の晩御飯を作った。
「そんなの後で良いからこっちおいで、カズ」
「はい。」
潤は食事の片付けをしている二宮を
呼び、抱き寄せた。
「ん、可愛い。カズは可愛いね…」
「…ありがとうございます」
潤は二宮のことが好きだ。
それは二宮にも分かるくらい。
こうして抱きしめられることは
よくあり、二宮はいつも
潤の背中に軽く腕を回す。
キスをされたことだってあるのだ。
しかし2人は恋人ではない。
潤は、二宮がOKすることを
分かっているからだ。
なぜなら…二宮が潤に
刃向かうことはない…。
しかし潤も我慢の限界まできていた。
――――――――――
「カズ、服を脱げ」
「…潤、様…?」
「何?服を脱げって言ってるの。上だけでいいよ」
「…あの……」
「鍵はかけてある」
「はい、しかし…」
「どうしたの、カズ。俺の言うことは絶対だろ」
「……はい。…失礼します…」
シャワーを浴びて、
寝る時間までの休息タイム。
ベッドでゴロゴロしながら話す潤に
相槌を打っていた二宮。
突然の命令に驚きを隠せなかった。
しかし潤の命令は絶対である。
二宮は明らかに戸惑いながらも
ゆっくりと上着を脱ぎ、
シャツのボタンを外して
袖から腕を抜いた。