第18章 執事 AN編 ☆
「雅紀様、早くお休みにならないとまた起きられませんよ」
「んー。…じゃあニノと寝る!!」
「はっ?!!…あっ…す、すみません…あの…」
「……珍しいね、ニノが焦ってる。」
「…すみません」
「何もしないよ、ただ、久しぶりに抱きしめて寝たいの。部屋の鍵かけたら大丈夫でしょ?」
「いや、あの…」
「他の仕事が終わって、寝る支度が出来たら来て。明日着る服も持って来るんだよ。来るまで俺寝ないからね」
「雅紀、様…」
有無を言わさない雅紀の雰囲気に
押されて二宮は断れずに
一度部屋を出て、急いで仕事をこなし
寝る支度をして、雅紀の部屋に戻った。
「早かったね?」
「…朝、寝坊されると困りますので、…」
「うん。早く早く♪」
雅紀のベッドは一人用にも関わらず
ダブルベッドのように広い。
「…失礼、します……」
「んーっ!ニノ~♪気持ちぃ……久しぶりだぁ…」
「……まさき…」
雅紀はぎゅっと二宮を抱きしめた。
その表情はとても幸せそうで…
「…ふふ、雅紀って言ったね?」
「えっ…あ…すみませっ…っ!?」
二宮がボソッと昔のように
自分のことを呼んだのを
雅紀は聞き逃さなかった。
二宮が謝罪の言葉を口にする前に
雅紀はその口を自分のそれで塞いだ。