• テキストサイズ

シリーズもの【気象系BL】

第13章 先生が好き SN編 ☆




「こんにちはー」
「こんにちは。今日は早いね」
「うん。今日先生の授業だもん♪」
「…なんだそりゃ(笑)」


学校が終わって、今日は塾。
初めは無理やり入れられて嫌々通い始めたけど、
今は入ってほんとに良かったと思う。


「先生、今日何人?」
「櫻井は…Cコマだよね、……3人かな」
「じゃあ忙しいんだ…」
「んー…でも分からなかったらすぐ呼んでね」
「うん、もちろん!」


ここは個人塾。

この二宮先生は俺の担当。
まだ若いけどすごく分かりやすい。
この塾に入って良かったのは…
二宮先生に出会えたこと!!

授業が始まったら先生は板で仕切られた
机を行き来して、生徒の相手をする。

「二宮先生!」
「はーい。ちょっと待って」

3人の時は来てくれる割合が減って
あんまり好きじゃない。
1人ならずっといてくれるのに。

「はい、ゴメンね。」
「これが分かんない」
「んー…これ前もやったよね?苦手か、ここ」
「うん、苦手」
「そこ堂々というとこじゃないしね」
「へへっ」
「分かった、ここ集中攻撃しよ」
「え゛…」
「だって出来ないんでしょ。当たり前!」
「…はぁーい…あ、先生、」
「…ん。」

「先生ー」

「はーい。ちょっと待って」
「あとで教えて?」
「んじゃ違うとこやってて。ゴメンな」
「ううん」


3人とか、先生が忙しい日は俺は大抵後回し。
だって俺は先生を独り占め出来る時間があるから。

絶対秘密だけど、先生は俺の恋人。
まだ、付き合い始めたばかりで
まだまだお互い知らないことばかり
だけど、愛してる気持ちは本物。

今もこっそりメモを渡した。
「今日行って良い?」って書いたメモ。
時間がある時は終わってから
先生んちに行くんだ。

「櫻井ー、出来た?」
「出来たー。他のとこだけ」
「…なーにが違うんだ」
「単語が違う」
「単語はお前、覚えろよ」
「だって難しくない?この話」
「んー、でも有名な話だから。訳すから、大体話掴んで」
「はーい」

授業の終わり頃、先生が来た。
さっき俺が渡したメモを開いて
器用に、古文の話をしながら
「いいよ」っと書いてニコッと笑った。

「ま…後でやるか」
「えー…」
「バーカ。…ちょっと呼ばれてるから、」
「ん、」

先生はメモに「先に帰ってて」って
書いて俺に見せると紙をくしゃっと
丸めてポケットに入れた。


/ 86ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp