第11章 先生が好き ON編 ☆
「二宮和也です。短い間ですが、よろしくお願いします」
今日から、教育実習の先生が来た。
この学校のOB。オイラのクラスは
二宮先生。…先生なんて恥ずかしいな。
「ねぇ、さとし何組だっけ?」
「ん?4組」
「…野々上先生のクラスだ?」
「うん。」
「俺…さとしのクラスかも…っていうかそう…」
「嘘!!?すげぇ!!」
「よ、ろこんでいいのか…?」
「いいじゃん!学校でも和と一緒なんだよっ♪」
「…あっ!間違っても抱きついたりしないでよっ!!?」
「そんなことしないよ!大事な実習だもんね。でも嬉しい!!」
「…ん、まぁ…ね!」
…っと、まぁ、オイラ実は
この二宮先生、と付き合ってる。
気をつけなきゃだけど…
2週間ちょっと、学校にも
和がいるなんて最高だー♪
「二宮先生、彼女いるの!?」
「ふはっ!いないよー」
「えー、うそー!!」
「ほんと!」
「私立候補しちゃおうかなーっ!!」
「あ、私もっ!!」
「ふふ、ありがと」
ちょっと予感はしてたけど
和は女子に大人気だ。
いつもならバカ正直に嫌そうな
顔すんのに、今日はニコニコしてさっ…
しょうがないけど
やっぱいい気はしないよね。
和は現国の先生。
和の授業受けるなんてなんか変なの。
授業中の和は、ちょっとは
緊張してるみたいだった。
「二宮先生!」
「はい?あ、」
「…声で分かんないんだ?」
「……、どうしたの?」
「ううん。昼ご飯、一緒に学食行かない?」
「あ、…うん!友達は?」
「うん、一緒に。」
「じゃぁ、先行ってて。職員室寄ってから行くから」
「分かった!」
教室を出て行く和に声をかけた。
声で気付いてくれなかったみたいで
からかってコソッと呟いたら
和は一瞬眉間にシワを寄せた。
「二宮先生こっち!!」
「ごめんね、遅くなって…!」
「先生、女子に捕まってたんでしょう!」
「いや…あはは……」
「大変だねー。何食べる?」
「どうしよっかな…、メニュー変わってるんだ…」
「他人丼美味しいよ!和には多いかな?」
「ちょっ…!」
「あ、大丈夫ですよ。僕は知ってますんで♪」
「え?あ…そう、なんだ…」
「お邪魔かな?ふふ…」
「いや、全然っ!」
「えー…」
「…バカじゃないの?」
「……ふふ…お仕置き♪」
「え、なんでそうなんの…!」