第5章 お泊まり N総受け編
ピーンポーン!
「ほら、押しちゃった!翔ちゃん!!」
「えっ!えっ!!?」
こういうときの翔くんは面白い。
いつもしっかりしてんのに、ヘタレ。
『はい、…翔ちゃん?』
「あっ…うん…」
『どうしたの?』
「あ、うん、ちょっと…近くまで来たから、寄ってみた」
『ふふ…変なの。今開けるね』
「うん、さんきゅ」
「開いた!!早く行こーっ!」
ピーンポーン!
「…あれ。みなさんお揃いで…」
「にの何してたの??暇?」
「…暇っ、ちゃぁ暇…だけど」
「入っていい?」
「…ダメって言っても入るでしょ?」
「うんっ♪」
そんな感じでにのんち到着。
「相変わらず割と綺麗…って言うか、ものがない」
「潤くんヒドい。来る度言わないでよ。最低限はあるでしょ」
「まぁな」
「にの、台本読んでた…?」
「んー?あ、閉じといて」
「なんか挟んどく?」
「んーん、いいよ。なんか食べるー?ってこんなんしかないけど。」
にのは台本を読んでたみたい。
翔くんがバツの悪そうな顔をした。
そういうとこ、気を使うんだ、彼は。
「カズ、夕ご飯の材料買って来たんだ。」
「うちで?勝手だねーみんな」
「いいだろ?」
「いーよ。夕ご飯買いに行かなきゃなかったし」
にのんちに突然転がり込んで
昼間は楽屋にいるときみたいに
自由に過ごしてた。
にのも特に何も聞いてこなかった。