第7章 香り【分隊長ハンジさん・R18】
「ちょっと大きい・・・」
ぶかぶかとまではいかないが、
いつも自分が着ている同じ支給品のシャツより大分ゆとりがある。
何より、身につけているとより一層
ハンジの匂いに包まれ、存在を近くに感じる。
両腕を抱くとまるでハンジに抱きしめられているような感覚に陥った。
身体が疼く。
ハンジに抱きしめられたい。
今すぐ、触れて欲しい。
「ハンジさん・・・・・・っ」
「何してるの?」
なまえは固まった。
目の前には今着ているシャツの所有者。
ハンジが不思議そうになまえを見つめている。
風呂上がりでバスローブ以外身につけていないハンジは当然眼鏡もしていない。
まさか、気づいていない・・・・・・?
「は、ハンジさん・・・こ、これは」
しかし、しっかりとシャツを着てしまった
この状態では何も言い逃れができない。
濡れたハンジの髪から水滴がぽたぽたと滴り落ちる。
その様子がやけに長く感じられた。
気づかれるのも時間の問題だ。
「ご、ごめんなさい・・・ハンジさんの」
「私の?」
ハンジはサイドテーブルに置かれていた眼鏡をかけるとなまえを一瞥する。
すると瞳を見開いた。