第7章 香り【分隊長ハンジさん・R18】
なまえは辺りを見渡した。
浴室からは相変わらずシャワーの音が聞こえ続けている。
まだ、大丈夫だろうか・・・
しばらくは出てこないだろう。
そう言い聞かせると
なまえはシャツを手に取り、そっと匂いを嗅いだ。
ハンジの匂いがする。
いつも自分を包み込んでくれる愛しい人の匂いだ。
同じ支給品のシャツで、同じ支給品の石鹸で身体を洗っているはずなのにこうも愛しい人の匂いだと認識できるものなのか。
肺いっぱいに吸い込むととても満たされた気持ちになる。
「そういえば、
ハンジさんの服のサイズってどれくらいなんだろう・・・」
なまえはふと疑問に思う。
彼氏の服を着てみたらぶかぶかだった、
などという話は友達からもよく聞く。
ハンジは性別こそ女性とはいえ
身長は男性と比べられるくらい高い。
身体付きだって長年の訓練の成果かだいぶ逞しい、と思う。
なまえはもう一度辺りを見渡す。
浴室のシャワー音は健在だ。
大丈夫、まだ出てこない。
なまえは深く息を吸い込むと
ハンジのシャツに袖を通した。